近年ECが急加速している東南アジア。同地域の企業は次々とデジタル化を進めています。オフラインからオンラインへ買い物客の居場所が移行する中、小売業界はどのように顧客体験の質を保てばよいのでしょうか。L’Oréal ThailandとそのベンダーaCommerceは、Queue-itの仮想待合室を活用して公平なオンラインショッピング体験を実現しました。
デジタル化がECにもたらした課題
L’Oréal Thailandでは、aCommerceと協同しオンライン販売を進めていました。これはコロナ禍でさらに加速し、「L'Oréal Friends and Family」など、以前は対面で行われていた大規模なセールがオンラインに移行されました。
しかしこれによって、販売開始時にトラフィックが急増し、アクセス障害が起こるようになりました。顧客体験の改善を目指してaCommerceはサーバーの拡張を試みましたが、同時に多くのユーザーを受け止めるインフラが用意できず、効果は限定的なものでした。
2社は負荷を分散するため、キャンペーン実施日を5日間に増やし、1日の販売人数を1000人に制限することも試みました。しかし、在庫の不具合が発生し買い物客の体験を損ねてしまいました。
「L’Oréalのファンに、製品を公平かつ快適に手に入れてもらうにはどうすればよいのか。」この課題の解決には、スマートにトラフィック管理ができるソリューションが必要でした。
仮想待合室で公平な販売を実現
aCommerceは、既にトラフィック流入の管理ができる仮想待合室のことは周知していました。しかし、Queue-itを選んだ理由はそれに加えて、公平な先着順での案内ができる点、明確な情報提供がある点、またトラフィック流量をリアルタイムで把握でき、L’Oréal Thailandのサイトパフォーマンスを最適に保てる点があったからだといいます。
「Queue-itの管理画面からは同時接続ユーザー数やサイトの滞在人数を把握することができます。サーバーの容量に応じて流入量を調整することができるため、とても気に入っています。」aCommerce ジュニアプロジェクトマネージャー、タカリン・イップ氏
仮想待合室の導入によって、L'Oréal Thailandはその後の販売で最高のサイトパフォーマンスをファンに届けることができました。また、aCommerceのサーバーはクラッシュすることなく、ファンからの苦情も大幅に減りました。トラフィック流量をスマートにコントロールすることで、公平な顧客体験を実現でき、様々な問題が解決されたとaCommerceは語ります。
aCommerceについて
2013年に設立。東南アジア最大級のECソリューション提供会社で、5カ国170社以上のクライアントを抱える。ミッションは、東南アジアのECバリューチェーンを網羅する橋渡しとなり、EC化を促進すること。