Language (言語)

神戸レタスが大人気アイテム発売を確実に成功させる秘訣とは?

Kobe Lettuce logo on green

株式会社マキシムが運営するファッションブランド「神戸レタス」。インフルエンサーコラボなど、デジタルを駆使した企画を活発に実施し、若い女性から人気を集めています。同時に、こうした人気商品の発売に伴うシステム負荷は、同社にとって避けては通れない課題でした。この記事では、同社がどのようにQueue-itを活用してトラフィックピークを処理し、販売促進と顧客体験向上につなげているかをご紹介します。

「ワクワクドキドキできるものづくり」。これは大人気プチプラブランド神戸レタスを運営する、株式会社マキシムのミッションです。

同ブランドはその名の通り、おしゃれな港町神戸で生まれました。2005年の設立以来、入れ替わりの激しいファストファッション業界で最前線を走り続けています。

Kobe Lettuce instagram

特にここ数年は、デジタルメディアを駆使したインフルエンサーとのコラボ商品や限定アイテムの販売が大ヒットし、20代~30代の女性から支持を得るようになりました。

ブランドの知名度が高まり、人気商品の早期完売や追加販売などが繰り返されるようになると、今度は別の問題を抱えるようになりました。デジタルメディア上で事前に発売時期を告知しているため、販売開始時に通常の数倍以上ものトラフィックが殺到する回数が増加したのです。ECでの売上げが全体の約90%を占める同社にとって、サイトが正常に機能し、販売機会を逃さないことが最優先の課題でした。

そこで今回、同社CEOである林純司氏に、神戸レタスがどのようにQueue-itの仮想待合室を使ってトラフィック急増による課題を解決したのか伺いました。

人気コラボ企画によるサイト・アプリへのアクセス集中

「アクセス集中は長年悩みの種でした。特に開始時刻を公開するインフルエンサーコラボや新商品発売では、瞬間的負荷がかなりかかります。サーバーが落ちてしまうと販売機会のロスを招き、復旧コストもかかるため、かなり深刻な問題として捉えていました。またこうした事態が続くと、最終的にはお客様やパートナーの信頼を損ねてしまうのではとも危惧していました。」

増え続ける需要に対応するために、同社はシステム更新を実施しましたが、期待していた結果を得ることはできませんでした。

「リプレイス後、当面は事足りていたものの、トラフィックがさらに増えたりサイトに新しい機能を盛り込んだりするにつれて、システムへの負荷がまた容量を超えてしまいました」

より持続的なトラフィック対策はないか頭を悩ませる中、同社技術チームはインターネット上で知った順番待ちシステムの社内開発を試みました。しかし、そこで新たな課題が見つかったと言います。

「他のインフラと同じサーバー上に設置せざるをえず、容量に限りがありました。ビジターを等分化して送っていくシステムを作ろうとしましたが、順番に送ることができず、細かいコントロールがきかなかったのも難点でした。」 

パフォーマンスの最適化&リソースの節約

そうした悩みを解決できる手段として注目したのがQueue-itの仮想待合室。トラフィックを自社インフラから待合室へオフロードし、順番にサイトへ案内するため、容量を増やすことができるほか、確実なトラフィック管理ができる点に魅力を感じたそうです。

現在、同社はインフルエンサーとのコラボ企画や限定発売などの場面で、ほぼ毎週Queue-itの待合室を使っています。その効果について、林氏はこう語ります。

「サーバー稼働時間が安定し、ダウンタイムはほぼゼロになったため、アクセス集中するときにも確実に販売できるようになりました。」

Kobe Lettuce traffic spikes

また、同氏によると、システムの拡張やインフラのリプレイスメントに比べ、待合室があればより効率的にトラフィック管理ができると言います。

「ECインフラの変更はかなり大きなリソースを費やすのが一般的ですが、Queue-itを使えばトラフィックが急増した際にもサイトを効率的に保護できるので、非常にお手頃です。年間で100万円近くサーバーコストの削減ができるようになりました。」

Kobe Lettuce testimonial

また、仮想待合室の管理画面は直感的に使用できるデザインとなっているため、技術スタッフの負担も軽減できるようになったといいます。

「Queue-itなら、(実装後は)ノーコードでトラフィック管理ができます。内製のソリューションを使っていたときはエンジニアがリダイレクトごとにコードを変更していたのですが、常に張り付いている必要がなくなりました。また技術的な知識に関係なく誰でも操作できるので、社内リソースをよりスマートに割り当てられるようになりました。」

予想外だったマーケティング効果

待合室は顧客体験向上という点においても効果を発揮しました。

「お客様にとって、自分が列のどこにいるのか、待ち時間の目安はどのくらいかといった情報がわかると安心感につながります。またサイトのトンマナと合わせたデザインにすることで、外部サイトに送られた感覚も防いでいます」と林氏は言います。

Kobe Lettuce’s waiting room page

神戸レタスの待合室ページ

「待っている人数を待合室画面で表示したところ、『5000人が並んでる、すごいね!』のようなツイートをされる方もおり、人気アピールに繋がると考えています。」

また、コラボ企画のインフルエンサーによる取り組みも想定外のポジティブな効果があったと言います。例えば、水越みさと氏が神戸レタスとのコラボ商品再販を前にYouTubeに投稿したこの告知動画。再販にあたっての注意点の中で、待合室の仕組みと利点についても触れています。

このおかげで、ファンは販売前から購入の流れを把握することができた上、動画にはシステム改善のための努力に対する感謝の声が多く寄せられました。この声については「正直予想外だった」と林氏は言いますが、インフルエンサーによる待合室使用の告知によってファンとの貴重なタッチポイントが生まれ、導入したソリューションが前向きに受け入れられるきっかけとなりました。

Kobe Lettuce Youtube comment 1
Kobe Lettuce Youtube comment 1

顧客体験の向上を目指して

若い消費者にアピールし続け、顧客体験を向上させることで、ファストファッション業界の第一線を走り続けている神戸レタス。仮想待合室は、同ブランドがそのために実践していることの一例にすぎません。今後もマキシム社は、デジタルを活用してさらに多くの人にワクワクとドキドキを届けていきたいと言います。

今年5月にはサイトをリニューアルし、今後も随時機能を追加していく予定だという同社。林氏は今後のビジョンをこのように語ります。

「ファッション業界もデジタル化が進み、ここ数年で多くの技術革新が起こりました。これからもECファーストの企業として先頭に立ち、より良いサービスを作る動きを加速していきたいと思います。」

こちらから他の事例もご覧いただけます